漫画ドラえもんおすすめ名作エピソード

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1970年に連載を開始した漫画ドラえもんは、連載期間が長い上に複数の雑誌に同時連載されていたため、作品数が多い多い。短編エピソード数はなんと1,316作1

面白い話や有名どころを読んでみたくても、これだけあると何から読むべきか困りますね。今回はてんとう虫コミックス全45巻収録作品の中から、傑作エピソードを紹介します。

アニメでご覧になりたい場合はドラえもんTVをどうぞ。アニメ化されていない「ガラパ星からきた男」を除き、紹介したすべての作品が視聴できます。アニメ版タイトルは該当作品のタイトルクリックでご確認ください。

ギャグ編

未知とのそうぐう機

人の物を勝手にいじるべきではないとめずらしくのび太が良い子だったのに、ドラえもんが誤解していじるなと怒鳴りちらすディスコミュニケーションな導入がまず神なんです。こんな状況で無理やり呼び出してしまった宇宙人と意思疎通できるはずはなく、宇宙戦争の危機へ突入する。本作が収録されている17巻は傑作揃いで筆者イチオシの単行本です。

テストにアンキパン

この話にしか登場しないのに、なぜか異常な知名度を誇るアンキパン。「この扇風機で学校を吹き飛ばせばテストはない」と冷静なドラちゃんが光ってる。道具の知名度に負けず劣らず、導入からオチまで原作初期のドラえもんの良さが満ち溢れた完璧エピソード。2巻に収録。

ドラえもんだらけ

作者が得意とするタイムパラドックスと自分争いのエピソードを掛け合わせた名作。一時自分殺しによりバッドエンド直前に至るもそこはドラえもんなのでなんとか修正する。なお大人向けのSF短編だと容赦なくバッドエンドになる25巻に収録。

な、なんと!!のび太が百点とった!!

出オチ。この話もディスコミュニケーションからはじまります。100点を信じてくれない面々の中でも、ドラえもんの反応はひどすぎでしょう。ちなみに100点を取ったテストの問題はよく見ると結構難しい。25巻に収録。

しあわせな人魚姫

おおかみ男クリーム11巻)といい、ドラちゃんメイン回は面白い。「この本が悲しいからいけないんだ」と人魚姫をハッピーエンドに改変すべく、ドラえもんは魔女や王子様に容赦なくクレームを投げつける。恩知らず、うわき者、あんたもいってやれいってやれ。19巻に収録。

感動編

さようなら、ドラえもん

未来に帰らなくてはならなくなったドラえもんを安心させるため、のび太は独り立ちを決意する。最終回として知名度が高い本作はクオリティも最上級。話のネタになりやすいのでとりあえず一読しておくことを強くおすすめ。6巻に収録。なお7巻冒頭でドラえもんが帰ってきます

ドラえもんに休日を!!

のび太の世話で年中無休のドラちゃんが休日を取り、タマちゃんとデートへ。何かあったらよびつけブザーを押してというドラえもんに対し、絶対押さないと決意するのび太に続々と困難が襲いかかる。果たしてドラえもんは最後まで休日を満喫することができるのか? 35巻に収録。

おばあちゃんのおもいで

亡くなったおばあちゃんを一目見たいとのび太は過去に戻る。昔のママに自分がのび太であると主張するも信じてもらえず、逃げ込んだ部屋にはおばあちゃんがいた。「あの日あの時あのダルマ」(18巻)とセットで読みたい有名作。4巻に収録。

タマシイム・マシン

片付けができていないと怒られ、転んで怪我をしてもあしらわれる。成長するにつれて親から粗末に扱われている気がしたのび太は、タマシイム・マシンで赤ん坊のころに戻ることに。過去の世界で充実した生活を送るのび太の裏側で、現在のママは魂が抜けて動かなくなったのび太を発見する。13巻に収録。

ぞうとおじさん

殺されたぞうを助けるため、ドラえもんとのび太は太平洋戦争時の動物園へ。当時の憲兵に「戦争は日本が負けてもう終わるから安心して」なんてさらっと言ってはならない。ぞうを救ったあともさらに繋がる不思議な話。5巻に収録。

エンタメ編

ガンファイターのび太

のび太の射撃の腕前をもってすれば西部劇時代に活躍できたに違いない。本作の舞台は過去のアメリカ、ならずものが横行し保安官が定着しないモルグ・シティ。そこは独りで悪人たちを破った謎のガンマンの伝説がある街だった。24巻に収録。

昔はよかった

昔のほうがよかったという懐古主義への戒めを含む本作ですが、重要なのはそこではない。どんな時代でもみんな精一杯生きてきた、ぼくらはぼくらの時代を少しでもよくしなければならない。同作者のT・Pぼんなどでも描かれる、いまを生きる人類が負うべき歴史の本質を含む名作です。30巻に収録。

ラジコン大海戦

プラモデルやラジコンは子ども心を揺さぶるもの。夢をもっておこづかいを貯めて買ったラジコンボートは、スネ夫の戦艦大和に沈没させられてしまう。そこからはじまる軍拡競争の決着は? 14巻に収録。

天つき地蔵

ゴミの中から見つかった日本昔話の本。その中に収録されていた「天つき地蔵」はお地蔵さんが天をつくとなんでも出てくるお話だ。ところでドラえもんはなんだかお地蔵さんに似ていますね。36巻に収録。

ガラパ星からきた男

てんとう虫コミックス全45巻の最終章を飾る本作、泣いても笑っても短編ドラえもんはこれが最後3。複雑なタイムパラドックスに翻弄されるこの良質なストーリーは、純粋なアニメ化が困難なのでぜひ単行本でご覧あれ。45巻に収録。

恐怖編

ゆうれい城へ引っこし

自宅購入の話が出ている野比家。1000万円のドイツのお城に興味をもったのび太たちだったが、そこには幽霊の噂があった。前半の野比家移住ギャグ、後半のホラー冒険ストーリー、魅力的なヒロインのロッテさんとすべてが揃った最高傑作。12巻に収録。

しかしユーレイはでた!

夏休みの合宿のため、一行は山奥の寺院を訪れる。そこに幽霊が現れた後、のび太の記憶は失われ、メンバーは悲鳴とともに消えていく。ミステリー色強めでストーリーテリングの優れた大傑作。37巻に収録。

大予言・地球の滅びる日

日中から薄暗い空の下で、のび太は謎の日記を見つける。本日のページには「暗き天にマ女は怒り狂う。この日◯終わり。悲しきかな」とあり、その日以降の記載はない。まさか地球の終わりを意味しているのでは? 36巻に収録。

どくさいスイッチ

どくさいスイッチを押すと、対象になった人間がはじめからいなかったことになる。のび太はいじめられた勢いでジャイアンを消し、スネ夫も消し、ついにはすべての人間が消滅する。15巻に収録。

バイバイン

5分ごとにくりまんじゅうが倍に増えていくと、1時間後にいくつになると思う? くりまんじゅうで地球滅亡の危機を生み出す指数関数の恐怖をこの作品で味わってみよう。ところでオチはそれでいいのか。17巻に収録。

のび太×しずか編

しずかちゃんが関係する話は名作が多すぎるので、単独で紹介します。前半2作が感動編、後半3作がギャグ編に属します。なおこれらの作品は文庫DXののび太♡しずか編ですべて読めます。紹介しきれなかった面白い話も多く収録されているのでおすすめです。

しずちゃんさようなら

先生に叱られ将来に絶望したのび太は、自分に関わっても不幸になるとしずかちゃんと別れることを決意する。のびしずエピソードベストオブベストにして、全作通しても最上級の傑作。本作はジャイアン・スネ夫・出木杉くんたちの行動にも注目だ。32巻に収録。

のび太の結婚前夜

将来の結婚相手を出木杉くんに奪われるのではないかと不安になったのび太は、結婚式の前日に向かう。いつものメンバーが宴会を楽しんでいる一方、しずかちゃんは実家でなんだか浮かない顔。道具を使って本音を聞くと、なんと結婚をやめると言い出した! 25巻に収録。

雪山のロマンス

雪山で遭難した未来のしずかちゃんを助ければ、しずかちゃんはのび太に惚れ直して結婚するに違いない。ふたりが婚約に至った理由がこの作品で明らかになるも、その真相はちょっとひどい。20巻に収録。

しずちゃんの心の秘密

しずかちゃんへの誕生日プレゼントは何にしよう? 道具でこっそり本音を聞き出したのび太たちは、喜んでもらえるに違いないと皆が集まる誕生パーティーに向かう。描かないFギャグの真骨頂はここにあり。28巻に収録。

男女入れかえ物語

意外と活動的なしずかちゃんは木のぼりや野球をやってみたい。入れかえロープで入れ替わったのび太としずかは、お互いのジェンダーを満喫することができるのか? 「男も女も関係なく人間性の問題」とはっきり言い切るドラちゃんが強い。42巻に収録。

のび太×自然編

同じくのび太と自然が関係する話は名作が多すぎます。すべて感動編に属します。なおこれらの作品は文庫DXの胸キュン感動編で4話読めます。本記事で紹介した話をすべて含めると7話が収録されているのでおすすめです。

台風のフー子

たまごから生まれた小型台風のフー子は、のび太に懐いて離れようとしない。そんな中、日本に本物の大型台風が直撃する。2004年に『のび太とふしぎ風使い』というタイトルで映画化された最高評価の一作。6巻に収録。

精霊よびだしうでわ

うっかり呼び出してしまった雪の精霊は、春が来て雪がとければ消えてしまう。大雪の中でのび太と雪の精は楽しく遊び、そして訪れるひとときの恋。もうすぐ春なんだね。21巻に収録。

森は生きている

人間関係が嫌になったとき、のび太の逃げ場所は山だった。のび太と山の心は通い合い、次第にのび太は友達と遊ぶことなくひとり山へ引きこもる。見かねたドラえもんはのび太を説得に向かうが、山ものび太のことが大好きだった。26巻に収録。

タンポポ空を行く

動植物を擬人化するファンタグラスでのび太はタンポポと会話をする。やがて季節は移り変わり、綿毛が飛び立つその時に、とある子が恐怖にかられひとり残る。そこで交わされるタンポポのママと子の物語。18巻に収録。

野生ペット小屋

ペットを飼いたいのび太はアフリカで子ゾウのハナちゃんを見つける。毎日のように遊び心を通わすふたりの元へ、ある日ハナちゃんのママが帰ってきた。ちょっと切ない動物との別離の物語。30巻に収録。

  1. 『Pen+ 大人のための藤子・F・不二雄(2012年10月1日号別冊)』(p.34. 阪急コミュニケーションズ)[]
  2. 「自分会議」(コンプリート・ワークス1巻などに収録)[]
  3. 1994年に描かれた本作は、結果的にドラえもん最後の短編エピソードになりました。[]

ドラワークス