ドラえもんの単行本のおすすめは? 各単行本の違いや特徴を解説

1970年に連載を開始したドラえもん。その長い歴史の中で多くの単行本が出版されており、現行でも複数の種類の本が存在します。

たくさんの種類があるけど、結局どの本を買えばいいの? そのような疑問をお持ちの方に、本記事では各単行本の違いや特徴について解説します。

はじめに

まず前提について解説します。単行本『ドラえもん』は傑作選となるため、原則として全作が収録されているわけではありません。

長期連載となったドラえもんには多数の作品があります。その中には低年齢向けでストーリーが簡素な作品、質が安定しない作品、後の設定と相違する作品などが存在します。このような作品は単行本に収録されない傾向にあります。

なお、例外的に、作者の全集として刊行された『藤子・F・不二雄大全集』については全作が収録されています。

おすすめ単行本

結論から申し上げますと、単行本はてんとう虫コミックスのみで十分です。その上で、どうしても作品としてのドラえもんをさらに楽しみたいという方のみ全集を入手すればよろしいかと思います。

てんとう虫コミックス(TC)

一番有名で、一番おすすめの傑作選です。TCシリーズの中にも種類がありますが、特に無印全45巻は作品バランスや季節感などを考慮した上で作者が自ら収録作を選定しており、ほとんどの話が傑作です。ちなみに私のイチオシは17巻です。

作者の没後、無印に収録されなかった作品がプラスシリーズとカラー作品集シリーズとしてまとめられました。TCシリーズは0巻に掲載されている2話を除き話の重複はないので、多くの話が読みたい方は全巻ご購入していただいて問題ありません。

藤子・F・不二雄大全集(全集)

全集の最大の特徴は、ドラえもんが全作収録されているという点です。ドラえもんを読み尽くしたい方には必須の単行本になります。

その他にも、全集には次のような特徴があります。詳しくはWikipediaの藤子・F・不二雄大全集#仕様をご確認ください。

  • A5サイズのため絵が大きい。
  • 原稿紛失などの理由により他の単行本でトレス版が掲載されていた作品について雑誌復刻版が掲載されている。
  • 学年繰り上がり方式の収録順により当時の読者の追体験ができる。など

全集は完全版です。しかし、価格が高い、1冊1冊が辞書級の厚さで読みにくい、全集でしか読めない作品は質が良くないなどの欠点もあります。

そもそも、全集を購入したくなるほど作品が好きな方なら、なおさら手頃なTCも手元に置いておきたくなるはずです。ですので、いきなり全集を買うのではなく、まずはTCをご購入することをおすすめします。

ちなみに、有名な最終回「さようなら、ドラえもん」は原稿紛失のため他の単行本ではトレス版が収録されていますが、全集4巻において雑誌復刻版が掲載されました。この作品が好きな方であれば、本物の綺麗な線に感動するでしょう。

その他の現行単行本

以下の単行本は、特定の編集方針によりまとめられており、編集テーマや装丁などにご興味のある方向けです。そうでない方には多種多様な傑作が楽しめるTCのほうをおすすめします。

学年別ドラえもん名作選(学年別)

ドラえもんは小学館の雑誌である『小学一年生』から『小学六年生』で同時連載されていました。セリフを学年に対応する学習漢字とし、掲載誌別に編集した単行本となります。特に低学年向けの作品がTC全45巻には少ないので、低学年のお子さん向けに購入しても良いかもしれません。

ただ、低学年でもTC無印を読めるお子さんは普通にいらっしゃる印象ではあります。また、TCカラー作品集も低学年向けの作品が多い上にカラーなので、そちらのほうが楽しめるような気がします。

コロコロ文庫(文庫)

文庫まんがブームにあわせて出版されたシリーズだったと記憶しています。文庫サイズの単行本で、短編は「恋愛編」「恐怖編」「しずか編」など、テーマ別の編集方針でまとめられています。

「ロボット編」にTC未収録作品が2話収録されているので、以前はこの作品を目的に購入する方もいましたが、現在なら全集で補完できます。

巻末に著名人または関係者による数ページの解説があります。スネ夫編 (肝付兼太氏) とのび太グラフィティ編 (小原乃梨子氏) に作者が少しだけ登場しますが、そこまで重要な情報ではなく、解説の資料的価値はほとんどありません。

参考:文庫テーマおよび解説者一覧(藤子・F・不二雄データベース様)

コロコロ文庫デラックス(文庫DX)

上の文庫版と同様にテーマ別の編集方針によるハードカバー文庫の単行本です。ただし、文庫版とテーマの重複が多いので、この編集方針が目的であれば作品数が多い普通の文庫版をおすすめします。ハードカバーの装丁が気に入った方向けの単行本でしょうか。TC無印版における未収録作品もありません。

ただ、次の巻末に掲載されている解説は作者のエピソードが多いので、ファンであれば一読する価値はあるかもしれません。

ドキリ風刺編(芝山努氏)/わくわく大自然編(菊池俊輔氏)/恐ろし怖~い編(楠部三吉郎氏)/0点&家出編(小泉美明氏)/ドキドキ冒険編(藤本匡美氏、日子氏、地子氏)

参考:文庫DXテーマおよび解説者一覧(藤子・F・不二雄データベース様)

絶版単行本

次に紹介する単行本は絶版(品切れ)になります。全集が刊行される前はTC未収録作品が多く収録されており、ファンの間で有名な単行本であることから紹介します。現在は全集で補完できますので、基本的にご購入する必要はありません。

藤子不二雄ランド(FF)

旧中央公論社から出版されたシリーズです。藤子不二雄先生(藤子不二雄A先生、藤子・F・不二雄先生)の当時の全集としての位置づけで出版されました。当時における単行本未収録作品が多かったことからお持ちになっているファンの方が多く、現在でも話題になることがあります。

ぴっかぴかコミックス(PC)

低学年向けシリーズ……のはずでしたが、未収録作品が何気に多く収録されていたのでむしろマニアが購入していた印象があります。しかも、一部の作品が加筆前(雑誌掲載時)のままで掲載されているという意味でもマニア向けでした。

加筆前バージョンが掲載された作品は次のとおりです。リンク先はドラワークス原作詳細画面になります。

カラーコミックス(CC)

  • 全6巻
  • 大長編全4巻(のび太の海底鬼岩城まで)

こちらも低学年向けでB5版、主に二色刷りカラーの単行本です。コロコロコミックから派生した単行本であり、海底鬼岩城まではコロコロコミックで連載されていた大長編の総集編としての役割も果たしていました。

おわりに

解説は以上となります。今回は有名な単行本のみを取り上げましたので、これですべてというわけではありません。ですが、単行本を収集すること自体を目的としないのであれば、本記事で紹介した書籍以外を購入する必要はないと思います。

楽しいドラえもんライフを。

ドラワークス